2024年版:投資用ワンルームマンションの売却/手取り金額を最大化する方法

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 投資用ワンルームマンションを所有していると、不動産産・金融市場の変動やご自分の資産状況の変化に応じて、売却を検討する時期があるかと思います。

 不動産売却は、投資の面から考えると、「いくらで売れるか=売却物件価格」よりも、その先の「税金を支払って、最終的に自分の手に残るお金=手取り金額」を正確に把握することが大切です。

この記事では、現在の投資用ワンルームマンションを取り巻く環境と、売却の時に、実際に手元に残る金額の計算方法を記載しています。

売却検討の際には、ぜひ参考にしてください。

投資用マンションの売却価格から実際に手元に残るお金を計算
投資用マンションの売却価格から実際に手元に残るお金を計算
目次

2024年の金融環境について

2024年3月22日、日本銀行(日銀)は金融政策決定会合において、金融政策の転換を決定しました。

マイナス金利から金利がある世界へ政策転換

2016年から続いていた、
短期・長期の両面で金利の短期・長期の両方で、金利の調整を行うイールドカーブ・コントロールと呼ばれる異次元金融緩和政策の枠組みが解除され、「金利がある世界」が到来する形となりました


この政策転換により、
投資用ワンルームマンションの基準金利として採用されていることが多い長期プライムレートはじわじわと上昇し始めています。

2022年の返済予定表と2024年の返済表の比較をしてみましょう

  • 返済表記載の利息(利子)合計額
  • 返済表記載の残債の減り
    一番上部記載の残高から最下部の残高を引いて計算
  • 2022年と2024年の差額の比較をしてみましょう。

上昇し続けるマンションの修繕積立金

近年は修繕積立金が上昇し、投資用ワンルームマンションの収支が悪化している方も増えています

国土交通省では、過度な修繕積立金の徴収を問題視しており、上限設定等の案が検討されていますが、是正されるまでは時間を要すると考えられています。

  • 金利の上昇
  • 修繕積立金を含む管理費等の上昇

により、
売却を検討される方も多いのではないでしょうか。

大規模修繕

売却のタイミング

 一般的に、市場が好調で、価格が上昇している時期は、売却に適したタイミンと言えます。

ただ、売却のタイミングは、外的要因だけでなく、所有者ご自身の個別要因によっても異なります

売却価格を左右する個別要因

  • 投資用ワンルームマンションの所有開始時期
  • 物件の取得価格
  • 金融機関の借入金利
  • マンション自体の修繕計画
  • 賃貸借契約(マスターリース契約の内容)

そのため、市場の波を読みつつ、
所有物件の個別要因を一つ一つ分析し、ご自身の投資戦略に沿った最適な売却のタイミングを判断することが重要です。

査定依頼時に必要な書類

売却査定依頼を行う際に、下記書類を求められることが多いです。事前に準備をし、依頼を行いましょう。

売買契約書

投資用ワンルームマンションの売買契約内容について記載されている書類です。物件の所在地等を確認するために必要になります。

重要事項説明書

投資用ワンルームマンションの物件の詳細について記載されている書類です。どのような立地にあるどのような物件・お部屋なのかを確認するために必要になります。

賃貸借契約書(サブリース契約書・マスターリース契約・管理受託契約書等)


投資用ワンルームマンションの賃(転)貸借の内容について記載されている書類です。借主や家賃、諸条件を確認するために必要になります。

管理費・修繕積立金等の金額

投資用ワンルームマンションの管理組合から発行されている年間送金明細等をご確認ください。

もしお手元にない場合は、引き落とし口座の明細をご確認ください。

修繕積立金等の改定が予定されている場合は、その金額も必ずご確認ください。

売却時の必要書類
売却時の必要書類

手取り金額を計算するために必要な書類

査定金額が出たら、手取り金額の計算を行いましょう。計算に必要な書類は下記になります。

(投資用ワンルームマンションの)住宅ローン返済表

金融機関の問い合せ窓口と直近のローン残高が記載されている書類です。

確定申告書(不動産収支内訳書)

売却する際の税計算を行う際に必要となる書類です。

手取り金額の計算方法

売却価格から実際に手元に残る金額を見積もる

いよいよ手取り計算の方法です。

不動産買取業者や不動産仲介会社は、
契約を成立させることに注力するため、

諸経費や税引後の手取り金額について説明されることはあまりない

かもしれません。

そのため、ご自身で計算ししっかりと確認していきましょう。

手取り金額を計算するには、

売却価格から売却に伴う費用と税金を差し引く必要があります。

手取り金額の計算方法(売却時)

手取り金額
売却価格 -借入残高- (売却費用の合計 + 税金の合計)

売却費用の内訳

  • 借入残高がある場合
    金融機関への手数料がかかります。
  • 抵当権抹消費用
    司法書士への報酬と登録免許税、印紙代がかかります。
  • 仲介手数料
    取引きをサポートする不動産会社へ支払う仲介手数料です。売却価格の3%+6万(税別)がかかります。
  • 印紙税
    売買契約書・領収書等に貼付する印紙税です。売却価格によって金額が異なります。

不動産譲渡(売却)の税金(確定申告時)

  • 不動産譲渡所得(利益)が生じた場合
    所得税・住民税が発生
  • 不動産譲渡損失(損失)の場合
    所得税・住民税は発生しません。

復興特別所得税の税率は所得税に対して2.1%乗じます。

不動産譲渡(売却)所得×税率で税額が決まる

不動産譲渡(売却)所得の計算式

譲渡所得=(売却価格-売却費用)-(不動産取得価格-売却までの減価償却費計上額)

所有期間と税率について

税金=譲渡所得×税率(所得税・住民税)


投資用ワンルームマンションの税率は、売却する年の1月1日時点において所有期間が5年超のときは長期譲渡所得、
1月1日時点において所有期間が5年以下のときは短期譲渡所得と分類されます。

所得の種類所有期間所得税率住民税率
短期譲渡所得5年以下30%9%
長期譲渡所得5年超15%5%

譲渡所得税

譲渡所得税は、不動産を売却して得た利益(譲渡所得)に対して課される税金です。譲渡所得は売却価格から、その不動産の取得費や売却にかかった必要経費を差し引いた金額で計算されます。この税金は、所得税と住民税から構成されており、売却益が発生した年の翌年に申告・納税する必要があります。

長期保有のメリット活用

不動産を5年超保有してから売却すると、譲渡所得税の税率が下がります。
短期保有(5年以下)の場合よりも税率が低くなるため、計画的な売却スケジュールが節税につながります。

専門家のアドバイスを受ける

不動産売却の時期や売却に伴う税金等は個々の状況によって最適な対策は異なります。
不動産を得意とするファイナンシャルプランナーや税理士に相談することで、ご自身の状況に合った適切なタイミングを見つけることができるかもしれません。できるだけ事前の準備と専門家への相談を心がけましょう。

よくある質問(FAQ):投資用ワンルームマンション売却に関する疑問解消

売却にはどれくらいの期間がかかりますか?

一般的には、媒介契約を結んでから1~2ヶ月程度で契約締結することが多いです。ただ、投資用ワンルームマンションの売却プロセスは、現在の契約内容や市場の動向に大きく依存します。そのため、契約内容や価格設定によっては、より長くなることを想定ください。

売却にあたって専門家に相談する方法は?

投資用ワンルームマンションの売却は、ご自身の状況によっては専門的な知識が必要になります。その場合は、不動産を得意とするファイナンシャルプランナーや税理士などの専門家に相談することが推奨されます。専門家に相談するには、以下のステップを踏むといいでしょう。

STEP
初回相談の予約

相談を希望する専門家や事務所に連絡し、初回相談の予約を取ります。この際、初回相談は対面形式かオンライン形式か、相談料が無料か有料かを事前に確認しておくとよいでしょう。

STEP
必要書類の準備

投資用ワンルームマンションに関する情報を整理しておきます。初回相談時にすぐ提示できれば、より具体的で有益なアドバイスが得られます。

STEP
相談内容の明確化

のような点でアドバイスを求めているのか、具体的な質問や懸念事項ををあらかじめ整理しておくと、相談がスムーズに進みます。

専門家への相談を通じて、売却プロセスの理解を深めるとともに、ご自身の物件に最適な売却戦略を立てることができます。

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