
東京の賃貸を退去する際の賃貸住宅紛争防止条例(東京ルール)について
賃貸住宅(マンションやアパート等)の
- 退去時の原状回復トラブル
- 入居中の修繕トラブルを防止するために
東京都が作った条例です。
プロローグ
なんですけど、
気をつけることありますか。
新居の契約金を支払ったところなので、
追加の出費は避けたいな、
と思って。
今更ですかね?
お住まいになられて何年ぐらいになりますか。
- おタバコ吸ったり、
- お香焚いたり、
- ペット飼われたり
されていましたか。
どれもないです。
今からできることもあります。
新居でも大切な情報に
なりますので、
まとめてお伝えしますね。
原状回復費用の負担ルール
- 「退去時の請求ってどれくらい?」
とか、 - 「部屋に押しピンや釘を刺しても
大丈夫だっけ?」
と気になられたことはないですか。
故意過失で汚したり、壊したりでなければ、
原状回復費用は(基本的に)貸主の負担
になります。
ポイントは、2点です。
借主の故意過失によるものかどうか
故意過失のものがない場合は、
そんなに不安になる必要はないかと思います。
契約書に取り決めがあるかどうか
契約書等に
「退去時に原状回復費用として、
○万円支払うものとする」という文言
があれば、
書かれている金額を
お支払い頂く必要があります。
退去時の請求金額や原状回復の算出基準は、
契約書・重要事項説明書に記載がある
場合が多いです。
契約書を、一度、ご確認下さい。
なお、押しピンや釘は
故意に壁に穴をあけることになりますので、
穴の大きさの程度によっては、
原状回復費用(壁紙一面の交換等)を請求
される可能性があります。
東京ルールについて
また、東京都に限った話になりますが、
退去時の請求・入居時の修繕等で
トラブルが多かったため、
平成16年にトラブル防止の条例が
作られました。
その中で基本的なルールが定められています。
今回はこの条例をまとめておきたいと思います。
正式名称:東京における住宅の賃貸借に係る紛争の防止に関する条例(通称:東京ルール)
お部屋の契約前に
不動産会社から借主に書面を交付して、
説明するように義務付けられています。
住宅紛争防止条例(東京ルール)の対象
東京都内にある居住用の建物が対象です。
- 店舗・事務所等の事業用:対象外
- 貸主と直接契約:対象外
原状回復の基本的な考え方(原則)
貸主の負担
経年変化及び通常の使用による損耗等の復旧
になります。
経年変化・通常損耗とは、
建物の設備価値は、年数の経過や使用
に伴って減少していくという考え方に基づきます。
そのため、長く住めば長く住むほど、
貸主の負担は増えていきます。
劣化や汚れは当然というスタンスになります。
借主の負担(原状回復)
借主の故意・過失や
通常の使用方法に反する使用など、
借主の責任によって生じた
住宅の損耗やキズ等の復旧になります。
- 故意
- 過失
- 通常の使用方法に反する
①~③は下記のような場合です。
強い意志をもって、
壁に絵を描いた場合、
壁紙の交換代は借主負担になります。
誤って、窓際の荷物が倒れ、
窓を割ってしまった場合、
ガラスの修復費用は借主負担になります。
故障や不具合を放置したことにより、
発生・拡大した汚れやキズも
借主の負担です。
- 洗濯機置場の水漏れを放置し、
(↑水漏れまでであれば貸主負担です) - 壁紙が腐食された場合、
壁紙の交換費用は借主負担となります。
入居中の修繕の基本的な考え方(原則)
- 貸主
借主が居住していく上で、
必要となる修繕を行う義務が
あります。 - 借主
故意・過失、通常の使用方法に
反する使用など、
借主の責任によって必要となった
修繕は、借主が費用を負担しなければなりません。原状回復と同様の考え方になります。
特約(賃借人の負担内容)
原状回復に関する特約
貸主と借主の合意により、
原則と異なると特約を定めることも
できます。
ただし、
通常の原状回復義務を越えた負担を
借主に課す特約は、
全て認められるわけではありません。
よくある特約例
- 室内で喫煙をした場合
壁紙の交換並びに臭い除去を
借主負担にて行う
(平米単価○円) - 貸主に無断でペット飼育した場合
建具の補修並びに追加クリーニング費用を借主が負担する等です。
特約が有効となるためには、
下記の要件が必要です。
- 特約の必要性があり、かつ暴利的
でないなどの
客観的、合理的理由が存在すること - 借主が特約によって
通常の原状回復義務を超えた
修繕等の義務を負うこと
について認識していること - 借主が特約による
義務負担の意思表示をしている
こと
もし、契約前の説明の際に、
不明点があれば、その場で
不動産会社に確認を行いましょう。
入居中の修繕に関する特約
小規模な修繕については、
貸主と借主の合意により、
貸主の修繕義務を免除するとともに、
借主が自らの費用負担で行うことができる
という特約を定めることができます。
よくある特約事例
室内の電球交換は借主負担で行う
ものとする、です。
特約がある場合でも、修繕を行うかどうかは
- 借主の自由であり、
- 借主は修繕負担を負うわけではありません。
貸主は、退去立会いの時に
電球が切れていても、
電球代を借主に請求することはできません。
入居中の修理等の際の連絡先
建物内や室内で修繕・修理事項が
発生した際に連絡をする
貸主や管理会社の連絡先の記載があります。
トラブル回避のポイントをまとめます。
(東京都都市整備局作成の賃貸住宅トラブル防止ガイドラインを参考にしています)
肝心なのは、契約の前!事前説明で確認を
不動産屋から
重要事項や紛争防止条例の説明を受ける時に、
- 原則の理解
- 内容が原則通りか
- どんな特約があるか確認をしましょう。
入居当初に室内と設備のチェックを
入居当初にキズや汚れの状況を確認し、
使用に問題があるものは修繕依頼を行い、
キズ等は当初よりあったものとして、
貸主に現況確認書類等で写真も添付し
細かく報告するのが理想です。
もちろん、契約内容は遵守で
ペット禁止の部屋で
ペットを飼うことは契約違反です。
安易な違反は
- 原状回復費用を求められるだけでは
済まず、 - 契約の解除や退去を求められる
ケースもあります。
お部屋はきれいに!大切に使いましょう!!
賃貸住宅は、他人の財産です。
借主には、
「善良なる管理者としての注意義務」
があります。
入居時の修繕の連絡は速やかに
修繕等が必要となった時は、
速やかに貸主や管理会社に連絡をして、
対応について相談しましょう。
立つ鳥跡を濁さず
退去する時は、
部屋に持ち込んだ荷物を全て運び出し、
念入りに掃除してから引き渡しましょう。
現状確認を行う方も気持ちよく確認ができます。
以上、賃貸住宅紛争防止条例のポイントになります!
お問い合わせ
有資格者
CFP(ファイナンシャルプランナー)
宅地建物取引士
賃貸不動産経営管理士が
[個人向けの住まい(賃貸・購入)]のご提案を行います。
ご提案も可能ですので、
お気軽にご相談・お問合わせください。
WEB・LINEでお問合わせ・予約


お電話でのお問い合わせ
物件に関すること/ライフプラン・全般的なご相談
