不動産屋の豆知識

東京の賃貸を退去する際の住宅紛争防止条例(東京ルール)について

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東京の賃貸を退去する際の賃貸住宅紛争防止条例(東京ルール)について

賃貸住宅(マンションやアパート等)の
退去時の原状回復トラブル②入居中の修繕トラブル防止するため
東京都が作った条例です。

 

プロローグ

お客様
お客様
あやってぃさん!明日、部屋の退去立会いなんですけど、気をつけることありますか。新居の契約金を支払ったところなので、追加の出費は避けたいな、と思って。今更ですかね?

あやってぃ
あやってぃ
ご連絡ありがとうございます。お住まいになられて何年ぐらいになりますか。あと、おタバコ吸ったりお香焚いたり、ペット飼われたりされていましたか。
お客様
お客様
住んで6年です。どれもないです。
あやってぃ
あやってぃ
そうですか。今からできることもありますし、新居でも大切な情報になりますので、まとめてお伝えしますね。

 

原状回復費用の負担ルール

退去時の請求ってどれくらいになるんだろう?」とか、
部屋に押しピン釘を刺しても大丈夫だっけ?」と気になられたことはないですか。

故意過失で汚したり、壊したり、でなければ
原状回復費用は(基本的に)貸主の負担になります。

契約時に適正な取り決めがあれば、取り決めは適応されます。

ポイントは、2点です。

借主の故意過失によるものかどうか

故意過失のものがない場合は、そんなに不安になる必要はないかと思います。

契約書に取り決めがあるかどうか

契約書等に「退去時に原状回復費用として、○万円支払うものとする」という文言があれば、それは書かれている金額をお支払い頂く必要があります。

退去時の請求金額や原状回復の算出基準は、契約書・重要事項説明書に記載がある場合が多いですので、一度、ご確認下さい。

納得のいかないことがあった場合は、各都道府県の「不動産相談」の担当部署で相談をしましょう。トラブル解決のための助言を行ってくれます。

参照URL:東京都「不動産相談」ページ

なお、押しピンや釘は故意に壁に穴をあけることになりますので、穴の大きさの程度によっては、原状回復費用(壁紙一面の交換等)を請求される可能性があります。

 

 

東京ルールについて

また、東京都に限った話になりますが、退去時の請求・入居時の修繕等でトラブルが多かったため、平成16年にトラブル防止の条例が作られました。

その中で基本的なルールが定められています。
今回はこの条例をまとめておきたいと思います。

 

正式名称:東京における住宅の賃貸借に係る紛争の防止に関する条例(通称:東京ルール)

お部屋の契約前に不動産会社から借主に書面を交付して、説明するように義務付けられています。

住宅紛争防止条例(東京ルール)の対象は?

東京都内にある居住用の建物が対象です。

  • 店舗・事務所等の事業用対象外です。
  • 貸主と直接契約の際も対象外です

 

住宅紛争防止条例(東京ルール)の内容は?

①原状回復の基本的な考え方(原則)

貸主の負担

経年変化及び通常の使用による損耗等の復旧になります。

経年変化・通常損耗とは、

建物の設備の価値は、年数の経過や使用に伴って、減少していくという考え方に基づきます。

そのため、長く住めば長く住むほど貸主の負担は増えていきます。

長く住むと劣化や汚れが多くなるので、借主の負担が多くなる、
というのは間違いです。
劣化や汚れは当然というスタンスになります。

 

借主の負担(原状回復)

借主の故意・過失通常の使用方法に反する使用など、
借主の責任によって生じた住宅の損耗やキズ等の復旧になります。

故意、過失、または通常の使用方法に関する例は下記のような場合です。

故意があった場合

強い意志をもって、壁に絵を描いた場合壁紙の交換代は借主負担になります。

過失があった場合

あやまって、窓際の荷物が倒れ、窓を割ってしまった場合ガラスの修復費用は借主負担になります。

通常使用と異なる場合

故障や不具合を放置したことにより、発生・拡大した汚れやキズも借主の負担です。

洗濯機置場の水漏れを放置し、(←水漏れまでであれば貸主負担です)
壁紙が腐食された場合壁紙の交換費用は借主負担なります。

 

うっかり事故の場合は、ご加入の火災保険の内容によっては、火災保険で対応可能な場合があります。「お部屋の模様替えをしていて、家具で壁に穴をあけてしまった」は、補償対象になる可能性があります。一度保険証券やパンフレットをご確認下さい。

 

②入居中の修繕の基本的な考え方(原則)

  • 貸主は、借主が居住していく上で、必要となる修繕を行う義務があります。
  • 借主は、故意・過失、通常の使用方法に反する費用など、
    借主の責任によって必要となった修繕は、借主が費用を負担しなければなりません。原状回復と同様の考え方になります。

 

③ ①②の特約(賃借人の負担内容)

①ー原状回復に関する特約

貸主と借主の合意により、原則と異なると特約を定めることもできます。

ただし、通常の原状回復義務を越えた負担を借主に課す特約は、全て認められるわけではありません。

よくある特約例

  • 室内で喫煙をした場合壁紙の交換並びに臭い除去借主負担にて行う
    (平米単価○円)
  • 貸主に無断でペットを飼育した場合建具の補修並びに追加クリーニング費用を借主が負担する等です。

特約が有効となるためには、下記の要件が必要です。

 

  1. 特約の必要性があり、かつ暴利的でないなどの客観的、合理的理由が存在すること
  2. 借主が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことについて認識していること
  3. 借主が特約による義務負担の意思表示をしていること

もし、契約前の説明の際に、不明点があれば、その場で不動産会社に確認を行いましょう。

 

 

②ー入居中の修繕に関する特約

貸主と借主の合意により、小規模な修繕については、貸主の修繕義務を免除するとともに、借主が自らの費用負担で行うことができるという特約を定めることができます

よくある特約事例

内の電球交換は借主負担で行うものとする、です。

電球が切れる度に、貸主や管理会社が部屋に入るということは、
お互い大変になるので、特約として定められている場合が多いです。

このような特約がある場合でも、修繕を行うかどうかは借主の自由であり、借主は修繕負担を負うわけではありません

したがって、この特約を理由に、退去時の原状回復費用として、借主が入居中に行わなかった小規模な修繕に要する費用を、貸主は請求することはできないとされています。

貸主は、退去立会いの時に電球が切れていても、その電球代を借主に請求することはできません

 

④入居中の修理等の際の連絡先

建物内や室内で修繕・修理事項が発生した際に連絡をする貸主や管理会社の連絡先の記載があります。何かあれば、速やかに連絡しましょう。

 

トラブル回避のポイントをまとめます。

(東京都都市整備局作成の賃貸住宅トラブル防止ガイドラインを参考にしています)

肝心なのは、契約の前!事前説明で確認を

不動産屋から重要事項や紛争防止条例の説明を受ける時に、
原則の理解
内容が原則通りか
どんな特約があるか確認をしましょう。

 

個人契約の場合は、貸主が文言変更するケースはほぼありません
法人契約の場合は、ドラフトチェック段階で特約変更や文言変更希望の場合は必ず伝えましょう。

変わった特約がある場合には、入居中・退去中に注意を払う必要があるなと意識するだけで違うかと思います。

 

入居当初に室内と設備のチェックを

入居当初にキズや汚れの状況を確認し、使用に問題があるものは修繕依頼を行い、
キズ等は当初よりあったものとして、貸主に現況確認書類等で写真も添付し細かく報告するのが理想です。

 

もちろん、契約内容は遵守で

ペット禁止の部屋でペットを飼うことは契約違反です。
安易な違反は、原状回復費用を求められるだけでは済まず、契約の解除や退去を求められるケースもあります。
契約内容をきちんと把握し、守っていきましょう。

 

お部屋はきれいに!大切に使いましょう!!

賃貸住宅は、他人の財産です。
そして、借主には「善良なる管理者としての「注意義務」があります。
大切に使いながら生活を送りましょう。

 

入居時の修繕の連絡は速やかに

修繕等が必要となった時は、速やかに貸主や管理会社に連絡をして、対応について相談しましょう。

 

立つ鳥跡を濁さず

退去する時は、部屋に持ち込んだ荷物を全て運び出し、念入りに掃除してから引き渡しましょう。現状確認を行う方も気持ちよく確認ができます。

 

以上、賃貸住宅紛争防止条例のポイントになります!