結論
売却を検討しはじめたら
まず「いまの賃貸管理契約(サブリース/管理委託)」を点検。
解約条件や引き継ぎ可否を把握してから、
- サブリース契約継続で売る
- 自主管理へ切替える等
出口を検討すると、
大きな判断ミスを避けられます。
東京都内で投資用ワンルームマンションを所有されていたお客様。
家賃も安定して入っていて、
そろそろ売却かなというタイミングで相談
がありました。
一緒に状況を整理してみると…
- 物件購入時に、販売会社と
借上管理契約(いわゆるサブリース)を締結 - さらに、そのグループ会社(小会社)と
管理委託契約も結ばれていた
という、やや複雑な契約構造になっていました。
1. まず確認:今の賃貸管理契約(サブリース/管理委託)の契約内容
投資用マンションを売ろうかな、と思ったとき、
まず確認してほしいのが
「今の賃貸管理の契約内容」です。
特に、購入から年数が経っている物件だと、
「当時の契約のままよく分からずに放置していた」というケースも少なくありません。
2. 注意点:サブリース契約の解約は、難しい
「サブリース契約って、売却のときに解約すればいいんでしょ?」と思われる方も多いのですが、
実はそう簡単にはいかないこともあります。
中には、借地借家法を盾にして解約を拒む管理会社も。まるで借主のようにふるまわれ、売却の足かせになってしまうケースもあります。
3. それでも売却はあきらめなくて大丈夫
最近では、サブリース契約が継続されたままでも売却できるケースが増えてきています。
中古の投資用マンションの市場が活発になっている今だからこそ、「そのままの契約で引き継ぎOK」という買主も存在します。
4. 選択肢:自主管理への切り替えで収支を改善
もうひとつの選択肢として、管理契約そのものを見直すという方法もあります。たとえば、サブリース契約や管理委託契約を解約し、自主管理に切り替えることで…
- 管理手数料がかからなくなる
- 毎月の収支が改善される
- 売却時の収益性が上がる可能性もある
といったメリットが生まれます。ただし当然ながら、入居者さんとのやりとりなどは貸主(オーナー)側の負担になります。「連絡が来たら自分で対応する」というのが、自主管理の基本です。
5. はじめのチェックリスト(手元の契約書で確認)
- 管理形態:サブリース/管理委託/一般管理のいずれか
- 契約期間・自動更新:満了日、更新条件
- 解約条項:解約予告期間、解約事由、違約金の有無
- 賃料規定:賃料改定条項、減額条項、見直しサイクル
- 手数料:管理委託料率、その他徴収費用
- 入居状況:現入居者の契約条件、敷金、滞納の有無
- 設備・修繕:原状回復負担、修繕積立・長期修繕計画
- 売却時の承諾:管理会社の承諾要否、承諾料の有無
- ローン条件:残債、繰上返済、抵当権の抹消条件
- 市況差:サブリース賃料と市場賃料の乖離
6. まずは「今どうなっているか」を知るところから
「売るかどうかはまだ決めていないけれど…」そんな段階でも構いません。
まずは、今どんな契約を結んでいて、何ができて、何が制限されているのかを知ること。
そして、そのうえで「売却に向けて動くか」「保有を続けて改善を図るか」——どの選択肢が自分にとってベストなのか、じっくり考えることが大切です。
7. ご相談について(オンライン初回60分無料)
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